BRA(ビジネスルールアプローチ)とBRMS

「ビジネスルールアプローチ(以下BRA)」・・・最近、時々聞かれるようになった言葉ですが、結局いったい何なのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。実際、人によって、状況によってその意味するところが若干違う(ように思える)ところもそれに拍車をかけています。実は、姉妹サイトでの「ビジネスルール2つの視点」という記事にも似たようなことを書いているのですが、BRAという言葉を使う場合、ビジネスルールを利用した開発のうち
①BRMSツールでの実装を強調した場合に使う
こともあれば、より上流の
②ルールによる仕様の記述というところを強調した方法論に対して使う
こともあります。

ところでBRAの中の「ビジネスルール」という言葉・概念。この言葉そのものは、一般の要求定義の中でも使われれるように特にツールとしてのBRMSとは関係はありません。たとえば要求定義やユースケースの解説書などでもビジネスルールに1章が割かれていたりします(たとえば「ソフトウェア要求」・・・末尾参照)。②の意味でのBRAはこの意味での「ビジネスルール」に焦点をあて、データ分析やプロセス分析と同じレベルでルール分析を取りあげていこうとする方法論であり、そのルール分析では、ルールを仕様のコア部分として認め、他の要素(データやプロセス)とは意識的に区分して厳密に扱っていこうとするものです。Ross やVon Halleの提唱しているBRAは、この範疇に入ります。

この②の意味でのBRAの歴史を紐解いてみる(A Brief History of the Business Rule Approach-BRCommunity)と、「BRA」といった言葉がなかった90年前後に、すでにその源流が始まっています。そこでは概念データモデルのモデリングで制約などをルールの形でまとめようとしていました。その後、ルールの記述範囲がモデルの制約だけでなく、推論の規則や計算規則などにも拡げられるとともに、記述方法も洗練され、述語論理を基盤とした、項(ターム)、ファクトを要素とした記述となっていきます。実は上に上げた要求定義の解説書に表れている「ビジネスルール」という言葉は、逆にこのBRAを作っていく中から生まれたといってもよいでしょう(ちなみに余談ですが、世界的に有名なデータベースの教科書『データベースシステム概論』を著したC.Dateもビジネスルールアプローチに関する本(What Not How)を書いています・・・末尾参照)。

このようにもともとのBRAは、ソフトウェアツールとしてのBRMSとは全く独立してビジネスを分析していく中から誕生しました(このことは、上に上げたBRAの歴史にも強調されています)。その一方で、ツールとしてのBRMSは、エキスパートシステムの作成などを通じてだんだんと洗練されてきています。そして今、BRMSで用いられているルールベース言語の宣言性、述語論理との親和性からBRAで書かれた実装系としてBRMSが使われるようになったということでしょうか。

(もっともRossVon Halleなどの本で扱われているBRAは、ほとんど「ルール原理主義(?)」的な、かなりがちがちのルールアプローチです。したがってBRAの方法論としてはともかく、現実のBRA適用としては今のところもう少し緩和した上記で言う①寄りの形が主流でしょう)

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