ハイブリッドAI (2) – 理論知識型+データ駆動型 = 第4世代AI –

現在はディープラーニングを中心とした機械学習による第3世代AIを主流とする時代です。この第3世代AIはパターンを認識する上ではこの上なく強力ではありますが、一方で意味づけや論理といった高次の知的活動が抜け落ちています。パターン認識が得意な第3世代AIが即応するAIと言われる一方、第2世代で発展した論理をベースにしたAIは熟考のAIとも例えられ、人間が古来より蓄積してきた知識を実装してきています。確かに常識を実装することにおいては難儀をしていますが(Cycプロジェクトとか)、専門的な限られた分野での知識においてはエキスパートシステム*1などで成果をあげました。

*1:エキスパートシステムの技術を応用してできたツールが、BRMS(ビジネスルール管理システム/ルールエンジン)です。ビジネスルールが「知識」として表現されるということになります。

実際、機械学習ベースのAIが主流の今日でも、論理をベースにしたAIの分野はまだまだ盛んに研究されたり利用されたりしています。Googleの検索エンジンの裏にあるGoogle Knowledge Graphなどは、その最たるものでしょう。囲碁のトップ棋士を負かしたAlphaGoの裏にもディープラーニングだけでなく、モンテカルロ木探索*2が使われています。この論理/記号処理の研究の蓄積を使わぬ手はないであろうというのが、理論知識型AI+データ駆動型AI である第4世代AI。

*2:よく考えると木探索はむしろ第1世代のAIの延長ですかね? いずれにしても過去のAIの研究の蓄積は今でも生きているということです^^。

第4世代AIについては、日本では昨年の6月に、こんな提言書

人工知能研究の新潮流 ~日本の勝ち筋~

が出ていたりしますが、ちょっと前にも書きましたが第4世代AIを目指す潮流は日本に限らず世界的なもののようです。ハイブリッドAIを主張する論文としてよく出てくるのは

The Next Decade in AI: Four Steps Towards Robust Artificial Intelligence

あたりですか。

さて第4世代AIを表す言葉として(厳密には≒というべきかもしれませんが)は、上の論文に出てくるハイブリッドAIという言葉だったり、またニューロシンボリックAI(neurosymbolic AI – ニューラルネット+記号処理 AI)などという言い方もあるそうです。割と有名な研究がこれ

The Neuro-Symbolic Concept Learner: Interpreting Scenes, Words, and Sentences From Natural Supervision
(この論文には、こんなのありました
[DL輪読会]The Neuro-Symbolic Concept Learner – SlideShare)

あとこんなアーカイブもあります。
Neuro-Symbolic AI Archives – MIT-IBM Watson AI Lab

また、最近知った言葉として、直接、ハイブリッドを意味しているわけではないですが、目指す方向は共通とするところの多い Engineerable AI などという言い方もあるようです。

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