‘BPM、SOA’ カテゴリーのアーカイブ

エンタープライズマッシュアップ

2011年10月2日 日曜日

 Web2.0やマッシュアップという言葉が流行っていたころ、一部で「エンタープライズマッシュアップ」という言葉が使われた時期がありました。まあ、読んで字のごとく、「企業におけるマッシュアップ」ということで、その心は社内外のWeb-APIを組み合わせて企業内のポータルなどを構築する方法論というようなイメージでしょうか。最近はあまり聞かれなくなりましたが、ことさら「マッシュアップ」という言葉を使わなくても、Web上での開発のひとつの方法論としてある程度定着したからなのでしょうか。

 さて、この言葉を思い出したのは、最近ある雑誌の記事を読んだからです。日経コンピュータの最新9月29日号の「システムを「作らず」に作った」という記事。今回作ったシステムは、ユーザインタフェース部分でひとつのクラウド、帳票生成サービス用のクラウド、ルールエンジン用のクラウド、3つのクラウドの間で通信しながら処理を行うというまさに 「クラウド間でSOAを実現しちゃいました」 的なちょっとおもしろいシステムです。そこそこのパフォーマンスも出ているようで一昔前なら夢物語だったような世界が手の届くところまで来たということですね。

 もちろんこのブログの趣旨からして強調したいのは、ルールエンジンでして・・・^^;。最近のルールエンジンのひとつの典型的な使い方として、今回の例のように、保険料の計算や整合性チェックなどのビジネスロジックの処理部分を、ルールエンジンを用いて独立したWebサービスとして提供するというのがあります。そして将来的には、このサービスをさまざまなアプリケーションで使いまわすということ…もっとも、日本国内で「さまざまなアプリケーションで使いまわす」というところまで行っているところはさすがにまだ聞いたことがないのですが…。

 今回、ルールエンジンがクラウドにのったということになると、上記のようなことがやりやすくなるだけでなく、(もちろんセキュリティの面など解決しなければならないことは多いですが)ルールエンジンを用いてビジネスロジックの処理をサービスとして提供するような可能性、幅がより拡がってくことになるでしょう。冒頭に述べた「マッシュアップ」は、ウィジェットを組み合わせてユーザインタフェース部分をひとつにまとめる感が強いですが、今回のケースは、もう少しビジネスのロジックに踏み込み、クラウドに散在するWebサービス間で物事を処理していく、いわばインターネットSOA、クラウドtoクラウドSOAが始まりつつあるということではないでしょうか。

 最初はルールエンジンの話を書こうと思っていたのですが、結局最後はSOAの話になってしまいましたね。長くなるのでルールの話はぜひ記事を…。

(2012年1月12日追記) この日経コンピュータの記事は、日経の電子版の12月28日つけ記事「システムを「作らず」に作った…得られた八つの利点」として読めるようになりました。

BPM本

2010年1月25日 月曜日

ずいぶんと間があいてしまいましたが、今日は、ちょっと前に読んだBPM、SOAに関する概説書が思いのほかおもしろかったのでその紹介。

その書「BPMがビジネスを変える」は、日本語で読めるようなBPMの本はないかと探していたときに(→実は思ったよりも少ない)、BPMNなどの本と一緒に手に入れた本です。まあ軽く読めそうですし、たまには概説書を読むのも悪くはないか・・・と、あまり期待はせず(失礼!)読み始めたところ、これが意外にもおもしろく読めました。

概説書というと、大抵その言葉の解説+背景の説明ちょっとくらいで、ひととおりさっと読んでおしまいというのが多いのですが、この本はBPMの単なる概説書というよりも、(BPMを中心においてはいますが)BPMに限らない企業のIT化に関しての鳥瞰図を与える書と言った方が適切でしょう。企業のIT化というと、SOA、SCM、CRM、ERP・・・といったIT系バズワードが浮かび、この本もご多分にもれずそういった単語がそこかしこに見られます(→ちなみに若干前の出版なので「クラウド」という言葉は出てきません)。が、この本ではそういったバズワードが単なるバズワードではなくIT化の視点から適切に位置づけられて説明されているのでバズワードに食傷気味の方もいちいち納得させられるかもしれません。

普段、実装をメインにやっておられるエンジニアの方も、業務を中心に見るビジネスアナリストの方も、企業のIT化を考えるベースとして本書を読むと結構おもしろく読めるのではないでしょうか。

(ちなみにアマゾンをみてみると、今ユーズドしか手に入らないようです・・・残念)



BPM、SOA そして BRM(続き)

2008年10月23日 木曜日

企業の基幹システムのルーツ・・・それこそ汎用機の創世期~全盛期とも言える数十年前・・・は、多くの企業で(たぶん)会計関連のシステムだったのではないでしょうか。月末月初の締めの時期になると人海戦術でそろばんをはじきながら月報を作ったり・・・。人が手を動かす計算の嵐なので比較的計算機に乗せやすかったのかなとおもいます。

そのうちに(もしくは同時並行的に)販売管理や生産管理などのシステムができて、(「サイロ」システムがたくさんできて)その間のデータ交換を人が手で橋渡ししたり、データを変換したり・・・実はちょっと前(といっても20年近く前)までは、「サイロ」システム間のデータのやりとりは今とは比べ物にならないくらい面倒でした。TCP/IPなどの今日のインターネット系のプロトコルは、それほど一般的でなくて、IBMだとSNA、富士通だとFNA、一方でNetWareがあったり・・・。そうこうしているうちにインターネットが盛んになってきてTCP/IPベースのプロトコルが標準となり、一方でXMLが表れシステム相互のデータ交換に対する敷居がさがってきて、システム的にはEAIひいてはBPMにつながっていったのでしょう。

さてさて、ふだん会社での仕事と言われるものを考えると、人と人とのコミュニケーションだったり、アイデアを出したり、資料の調査をしたり、手順にしたがってひたすらに手を動かして結果を出したり、その中でなんらかの判断基準で意志決定をしたりとさまざまなものが思い浮かびます。

BPM、SOA、BRMとは、非常に大雑把でアナロジカルな言い方ですが、ひたすら手を動かす個々の作業がSOAのサービスにあたり、それぞれをつなげる手順がBPMで、さらにその中の業務的な意志決定がBRMにあたると言えるのではないでしょうか。そう考えるとBPM、SOAだけでなくBRMももっと広範に応用されても良いような気がします。

(・・・と、今日は少々我田引水でしたね。前置きもあまり関係ないし^^;)

BPM、SOA そして BRM

2008年10月21日 火曜日

最近は、BRMSの周辺がいろいろ騒がしいですね。ちょっと前になりますが、

IBMがILOGを買収。
(IBM ILOG社の買収計画を発表 – Japan
アイログ【IBM、ILOG社の買収計画を発表】)

したり・・・。特にBPM、SOAの枠組みの中のひとつの重要なパートとしてBRMが位置づけられるようになってきたのが最近の流れ。BPMが一般的になり適用事例が増えてくるにつれ、意思決定のルールをすべてプロセスフローに組み込んでしまうとフローが非常に煩雑になってしまうという認識が広まり、意思決定のルールはルールとして切り分けて管理したいという要望が強くなってきたということなのでしょう。

もっともBPMとBRMとの関係は前々から・・・たとえば昨年、日本ではBPMツールの草分けARISの中に、Corticonが組み込まれるようになったり(IDSシェアー・ジャパン、ARIS Business Rules Designer を発表)・・・あり、上に挙げたような認識は前々からありましたが、それが現実のものとして受け取られるようになってきたのが昨今ということでしょうか。