Sparkling Logic SMARTS

米国カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale)。シリコンバレーの主要都市のひとつでYahooの本社などもあるところ。そんなサニーベールで、2年前、かつてFICOでデシジョン管理ツールに携わっていたメンバーがスピンアウトして設立したのが、Sparkling Logic。今年2012年のGartnerのBPMでのCool Vendorにも選ばれたSparkling Logicは今、ビジネスルール/Decision Management界での注目ベンダーとなっています。

さて、先日ビッグデータとBRMSについて記事を書きましたが、これもまた先日、以下のSperkling Logic のプレスリリースを発見しました。

Sparkling Logic Introduces the First Decision Simulation in the Era of Big Data

Sparkling Logic SMARTS™ は、Sparkling Logic社のフラッグシップといえるデシジョン管理の製品です。世の中、ビッグデータの時代、この製品にもデシジョンのシミュレーションにビッグデータを容易に使えるような機能が加わったとのこと。

もともとデシジョン管理は(デシジョン管理は、いずれどこかできちんとまとめておこうかと思いますが、とりあえずは、以下の簡単な説明で) たとえばクレジットカードの不正使用検出などで、
1.不正の疑いがある取引をルールを用いて、フィルタリング抽出する
2.その結果や、過去のデータを用いたルールのシミュレーションなどをベースにフィルタリングルールを改善、最適化。
3.さらにふたたびそのルールを用いて実際のデータをフィルタリングする
というサイクルを絶え間なく続け、不正検出デシジョンのパフォーマンスをあげていくという活動。システム的には、ひとことで言って、BRMS+BI+シミュレーションといったところでしょうか。

今回は、このシミュレーションのデータとして容易にビッグデータを用いることができるようになったことが新しいところ。実際のトランザクションデータを用いるルールのシステムだとシミュレーションを実行しようとすると、すぐにビッグデータレベルのデータが必要になってしまうのでしょうね。最近は猫も杓子も「ビッグデータ」。ちょっとこの言葉には食傷気味ですが、しかし一方で私、個人的には「物量作戦」がコンピュータシステムの本質的なところであるとも思っているので、たぶん一過性の話には終わらないのではないかと感じている次第。

ところで、このSparkling Logic SMARTSには、もうひとつ斬新な機能があって、ユーザインタフェースのベースがSocial Media様(よう)になっていること。ルールを用いたシステムの開発には、ルールを抽出・実装・メンテナンスしていく上で、ドメインの専門家、アナリスト、SEなどさまざまな役割を持った人々が協同して作業にあたることが不可欠です。以前のBRMSだと、ルールエディタ、バージョン管理など、通常のIDEの発展形としてのプラットフォームという印象が強いのですが、Sparkling Logic SMARTS では、まず協働作業のベースとなるコラボレーションプラットフォームありきでツールにしてしまうことで、さまざまな役割を持つ人々の間での協働作業を促進し、ルールのトレースやさまざまなケースでのテスト、シミュレーションなどを包括的にサポートするようになっています。BRMS meets Social Media といったところでしょうか。

もっとも、私もこのツールをいまだ実際に試してみてはいないので、本当に使いこなせるのかどうかの懸念もなくはないのですが、あのIBMもWebshere Operational Decision Management の最新版では Social Media的インタフェースを結構本気でアピールもしているので、時代の流れは案外そういった方向に行くのかもしれませんね。

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